法律擬人化入門・教育法編


図書館法は『教育法』に分類される法なので、『教育六法』などには掲載されています。
このように、イマイチ(?)メジャーではない法律は、携帯サイズの六法には載らない場合も多々あります。


この漫画を描く際に初めて日本での博物館・美術館・動物園=museumだと知り衝撃でした(;゚Д゚)
日本の博物館の定義って、私たちが通常考えているよりあいまいで、学芸員さんの中には博物館法が『教育法』のカテゴリに分類されることに違和感を持つ方もいらっしゃるようです…。
博物館では、多様な資料の収集・展示をされていらっしゃいますが、明治大学博物館・刑事部門さんでは、書物ももちろんありますが、高札や拷問具等の貴重な展示も見ることができます。


ミュージアム(博物館)・図書館・公文書館はいずれも文化的情報資源を収集・蓄積・提供する公共機関としてM(Museum)L(Library)A(Archive)連携活動が盛んになっていますが、公布の年代からもわかるように、公文書館法は後から作られ、扱いも教育法(文科省管轄)ではありません。
参考)文部科学省:用語解説
公文書(行政文書)の保管に関しては、明治時代から慎重に取り扱われてきましたが、やはり戦争の前後で扱いや意識が変化したようです。
公文書管理法によって、ようやくその重要性が認識されてきたように思います。
でも、実は司法関係資料はもっと悲惨で、三権(司法・行政・立法)のなかで唯一文書を管理する機関が存在しないため、公文書館で補完されている状態なのです…。
※行政は国立公文書館、立法は国立国会図書館が保存機関になります。
これからの動きに注目したいところです。


社会教育法は、教育基本法の下位法になり、社会教育に関する事項を定めます。
図書館法・博物館法はその特別法にあたります。
ここに登場する法令の関係につては、こちらもご参照ください『宣誓!』


教育基本法は基本法として、抽象的な教育理念を掲げる法です。
最近全面改正されているのですが、その内容には様々な意見があります。
是非、色んな資料をご自分で読んでみてください。
(参考)文部科学省「教育基本法資料室へようこそ!」


「教育ニ関スル勅語」(教育勅語)は法令ではありません。
法律としての効力を避けるためにお言葉(勅語)として下されたそうです。
そのため、戦後その効力を失効させる手続きが大変だったようです…。
法律は、全て憲法の理念を具体化するためのものですので、それに反する法律は違憲無効になります。
新しい教育基本法はそういった面でも争いがあります。
教育はとても大切な問題なので、色んな立場から、様々な意見があるようです。

参考文献:
■参照サイト
『日本法令索引』(国立国会図書館)
『法令データ提供システム』
『時の法令』
■辞典
・金子宏ほか『法律学小辞典』(有斐閣, 第4版補訂版、2008)
■文献
・渡部 蓊『教育行政』(日本図書センター、2004)
・鑓水 三千男『図書館と法』(日本図書館協会、2009)
・金山 喜昭『博物館学入門』(慶友社、2003)
・高橋 滋ほか『公文書管理の法整備に向けて』(商事法務、2007)
・小川 千代子編『アーカイブズへのアクセス』(日外アソシエーツ、2008)
・宇賀 克也『逐条解説 公文書等の管理に関する法律』(第一法規株式会社、2011)

戻る

inserted by FC2 system