法律擬人化入門・刑法編


一般的には犯罪者を罰する怖いイメージの刑法さんだと思います。
”法律”と言われて最初に思い浮かべるのも刑法さんではないでしょうか?
しかし、刑法は被害者と加害者で争いが最も先鋭化する法律なので、
色々と紆余曲折を経て、現在のヘタレなw姿になっているというお話を
これから描いていきます。


法令は原則「現在有効な法=現行法令」を参照するものです。
ただ、研究や比較のために、昔の法律をあえて収録している資料もあります。
大日本帝国憲法は典型的な例ですが、刑法の草案『改正刑法草案』も某携帯用
六法等にしつこく収録されていました。
刑法さんは抜本的な改正の議論が何度も出るくらい重要な法律であるということですね。
※六法に参考として何を収録するかは編集方針によるので、無いものもあります。
 読者の意見は結構反映していただけるようです(^^)


刑法は戦後、刑法200条尊属殺人における加重規定が法のもとの平等に反する
ということで違憲判決が出ています。
※尊属を尊重する規定は違憲ではないが、刑が重過ぎるという判決内容でした。
ここから、同種の刑は減刑され、以降の起訴自体が停止されましたが、条文は
そのまま温存されました。
刑法が現代語化する際、第40条とともにようやく削除されました。
刑法に限らず、家族関係に関する条文は改変が難しいです。
国会議員に世代、性別の偏りが強いことも一因と言われていますが、法律そのものが、
既存の価値観を温存しがちである、という側面が強く働いているように思います。

刑法さんは戦前生まれなので日本国憲法公布時に大幅な改正をしています。
上司もパートナーの刑事訴訟法も変わって大変そう…。
ああ、でも刑法さんは不憫であればある程輝くと思うのですよ!(マテ


刑法さんは国民の感情の赴くままに責められののしられ、法律としてはかなり不憫です…。
また、理論的な争いも大きいため、理論も擬人化していますw
価値無価値論は、違法性を客観的な法益侵害に求める理論で、行為無価値論は規範に求める理論です。
判例は折衷説を取っているといわれています。
本当は、こういったところを法教育できっちり国民が理解しなくてはいけないのだと
思いますが、報道も感情に走って煽ってしまいがちなのが現状だと思います。
刑法の理論と国民感情のギャップを埋めることが必要なのだと思います。

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