法律擬人化入門・民法編


民法は非常に重要な法でしかも大法典のためネタが多いです。
大きく分けて財産編(総則・物権・債権)と家族編(親族・相続)がありますが、家族編だけ平仮名になったりw
『民法リニューアル』漫画参照
(参考) 日本法令索引で「民法」を検索すると、法令沿革から改正履歴がわかります。


公法は、国(公権力)と国民(私人)の関係を規律する法。
私法は、国民(私人)同士の関係を規律する法です。
私人間の関係にも憲法の理念は適用されますが、私的自治の原則により関節的な適用にとどまり、国との関係よりも弱くなります。
これを『私人間効力』といいます。

民法は平成16年に完全現代語化という大幅なリニューアルをしています。
しかし、長年使用されてきた用語を変えるのは容易ではなく、ところどころ古い言葉が残っています。

ところで、民法全体の設定は女子校な感じの設定です~。 女の子パラダイスですw


総則は、民法全体に共通する基本ルールです。
そのため、抽象性が高く、「わかりにくい!」と言われがち…。
総則を隣に、個々の条文を読むのが正しい勉強の仕方だと知ったのは卒業してからでした…。
(いや、頭にたたきこんでおけということみたいですが無理です;)


正直な話、大学の授業で受けた物権って第177条しか覚えていません…w
物権は、物に対する権利で、誰にも主張できる権利です。対世権と言います。
これの反対に、特定の人にしか請求できない、債権などの権利を対人権と言います。
※絶対権と相対権とも言います。
177条は「登記」という登録をしておくことで、事情を知らずに自分と同じ物を取得した人に、「ちゃんと登録をしているから自分のものだ!」と権利を主張できるとした規定です。
この漫画では登記=指輪で表現しています。
実際の権利関係(本当にその人を恋人と思っているかどうか)は謎なので、公信力(外観を信じて取引した人は救済されるという制度)が無いところも似てるかな~と思い、こういうネタにしましたw


民法典というか、法律問題は最終的にはお金で解決するしかありません。
そういう意味でも債権さんは最強かも…w


親族は、相続と合わせて『家族法』と称されます。
戦後、日本国憲法の理念『両性の平等』などを反映し、内容が大幅に改正されて国民に親しみやすい法になった…のですが、昔の古い価値観がまだ残っているように思います。
ここで取り上げた①『親権』(民法第818条~837条)は、子どもの利益となるような、養育のために必要な「親の権利義務」を定めたものです。
しかし、名前の所為か、「親の子に対する独占的な権利」のように誤解されている側面があり、児童虐待の救済の枷になっている側面があります。
また、②第750条「夫婦の氏」も、圧倒的多数の女性が、結婚で氏を変えなくてはならないのは変だ、という議論があります。
ただ、一生名前が変わらないって、日本の歴史では珍しいんですけどね~。
100年程度の”伝統”って結構多いですw


相続法ちゃんは素直な明るい妹さん(親族法とは双子)でしたが、戦後国民の皆様に批判されまくって、どこかおびえた性格になってしまいました。可哀想。
(遺言を残すことにそもそも抵抗がある人が多く、形式が厳格であり、戦後の平等相続が農村の実情に合わなかったなど)
民法第900条第4号但書は「非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする」という規定が、憲法第14条の定める『法の下の平等』に反するとして2014年9月4日最高裁で違憲判決が出ました。


民法には『民法典論争』によって、お披露目はされたものの、施行されなかったお姉さまが(旧民法)います。
大日本帝国憲法の性格と合わなかったことが、原因の一つだと言われていますがどうでしょう…。
一方、現在の民法さんは、冒頭にあったように、柔軟な対応で長い間同一の法律として生きています。
長いスパンで法律を見ると、また面白いなあ、と思います。

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